本クローラータイプ5kw燃料電池式発電装置(以下、本装置)は、屋外での使用を考慮した燃料電池式の発電装置で、出力が5kwの機種を用意しています。従来のディーゼルエンジン式の発電機とは異なり、下記の面で優れた発電装置となって います。
1)ディーゼルエンジンより優れた静音性を持っています。
エンジン音と異なり、小型の送風ファンの音のみのため、夜間の使用においても近隣の住民の方に迷惑をかけることがありません。
2)燃料に水素(水素ガスボンベ)を使用しており、エンジンを使用した時のような排気ガス等の排出がありません。
排出物はクリーンな水蒸気のみとなります。
3)燃料電池は水素ガスと待機中の酸素を使用して発電を行います。
そのため、メンテナンスが必要な部分は大気を吸入するための吸入口に搭載しているフィルターのみとなります。
ホコリの多い場所での使用では、フィルターの交換頻度が高くなりますが、本体に付いている数本のネジを外すだけで簡単に交換が可能な構造になっています。
また、台車には屋外の使用に対応した電動式クローラを台車として採用してます。本装置を稼働させることにより、台車として使用しているマキタ製電動式クローラへの電源供給も行えるため、短時間で無くなるバッテリーの交換の必要がありません。
■各部の説明
■構造について
本装置の主要部品について下記に示します。
【フィルター】
燃料電池のもう一つの燃料である酸素を大気中から取り入れる時に大気中のゴミが燃料電池に入らないようにするためにフィルターを搭載しています。
【制御回路】
燃料電池が安定して発電するように制御します。
また、発電時に水素ガスの圧力が低下した時(ボンベ内の水素ガスが少なくなった時)に「水素低圧時警報ランプ」を点滅させます。
このランプは、水素ガスボンベの切り替え等により水素ガスの圧力が正常値に戻った時や、ストップボタンを押すと消灯します。
【DC/DCコンバータ】
燃料電池の出力電圧をDC/ACインバータの入力電圧に合わせるための装置です。
【DC/ACインバータ】
直流(DC)からAC100Vを作るための装置です。
【筐体&筐体フレーム】
本装置の筐体は、上面および側面に防水構造を有します。
【クローラ部】
マキタ製電動式クローラを採用。
■エアフローについて
本装置は、燃料電池に大気を送り込むためのエアフローを装置内に確保しています。 燃料電池を屋外で使用できるようにするため、突然の雨等への対応のための防水構造と十分な大気の取り入れという相反する構造を有する必要があります。 本装置では左図のような筐体下面から大気を取り入れ装置内部で使用し再度筐体下面より大気を排出するという構造としています。 水没等には対応していません。
■仕様一覧表
5kw | ||
燃料電池 | 燃料電池定格出力 | 5KW |
燃料電池最大出力 | 8KW | |
モジュール構成 | 定格5KW 1基 | |
セル数 | 120枚 | |
アノード側燃料 | 水素99.99%以上 | |
カソード側ガス | 空気 | |
MEA指向性 | アノード上面 | |
使用環境温度 | 5~55°C | |
水素供給圧力 | 0.12~0.80Mpa | |
カソード側ガス供給 | フ?ロワー による送気 | |
加湿方式 | 自動膜内加湿 | |
電力変換 | DC/DCコンバーター | 入力電圧DC30?DC100V |
定格出力 5KW | ||
最大出力 6KW | ||
DC出力 48V | ||
DC/ACインバーター | 出力AC100V | |
寸法 | 本装置 | 約 W910*D1600*H1300 mm |
燃料電池単体 | 約 W730*D 730*H 600 mm | |
操作系 | スイッチ、ボタン | スタート、ストップボタン 緊急停止スイッチ*2個 |
表示 | 運転中ランプ 1基 水素低圧時ランプ 1基 |
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コンセント | 搭載数 | 左右各5口 合計10口 |
水素ガスボンベ | 搭載数 | 6基 |
付属品 | 接続用チューブ | 1式 |
水素ガスボンベ用レギュレータカバー | 1式 |